渤海湾港湾連盟、盤錦市で発足

2017年06月12日

エリナのささやき

エリナちゃんの読書習慣(215)

久しぶりの読書習慣です。近づく夏季休暇の機中で読もうかな、と買った本ですが、2晩で読み終えてしまいました。『パリの国連で夢を食う。』(川内有緒、幻冬舎文庫)。パリの国連で勤務しながらのドタバタ交友録といった趣。多様な民族が雑多に勤務する国際機関内のカオスが手に取るようで、かつてのERINAを思い出すような…。国連機関の名称は伏せられていますが、パリ7区にある国連機関といえばユネスコでしょう。この(↓)向こう側あたり。近く、このあたりに出没する予定。▼きょうの海外ビジネス情報も国際的。欧亜を結ぶ渤海湾や北極海の話題。

海外ビジネス情報

◇渤海湾港湾連盟、盤錦市で発足

5月26日、渤海湾港湾連盟が遼寧省盤錦遼東湾新区で発足した。この連盟は、盤錦港、黄驊(カ)港、煙台港、威海港などの港がと共同で提唱し、地域協力と発展に立脚し、渤海湾港湾と関係企業間との協力・交流を強化し、グローバルな視野で渤海湾の港湾協力と発展の新しい構想・モデルを企画・探求することを趣旨としている。

近年、盤錦港は規模がますます拡大し、国内8航路が開通し、遼寧省の港湾・鉄道一体化の実験ポイントになっている。「盤満欧」(盤錦-満洲里-欧州)、「盤蒙欧」(盤錦-モンゴル-欧州)国際コンテナ列車が相次いで開通し、鉄道専用線が港湾区内の重点企業につながっている。「第五代港湾」基準に基づき、盤錦遼東湾新区と盤錦港は内陸港区の開発・建設、あるいは内陸港区との協力・経営を進めており、東北・内モンゴル東部地域にむけた便利な港湾サービスを提供し、全力をあげて北東アジア地域の新しい物流拠点を構築していく。(遼寧日報6月1日)

 

◇ガルシカ大臣がBRICS銀行頭取と会談

アレクサンドル・ガルシカ極東開発大臣はサンクトペテルブルク国際経済フォーラムの枠内で新開発銀行(通称BRICS銀行)のクンダプール・バマン・ カマト頭取と会談した。両者はロシア極東の大型インフラプロジェクトの資金調達で協力する可能性を協議した。

ガルシカ大臣は、ロシア極東で現在、新開発銀行が関心を持ちそうな2つの大型インフラプロジェクトが進行中だと述べた。そのうちの一つは国際輸送回廊「プリモーリエ1」、「プリモーリエ2」だ。大臣によれば、両輸送回廊のインフラ整備(自動車用道路、鉄道、国境横断路)への投資金額は50億ドル近くだと試算されている。専門家の分析によると、投資収益率は少なくとも10%になるだろう。モーダルシフトのポテンシャルは2030年までに最大で年間4500万トンとなっている。中国の荷主が「プリモーリエ1」、「プリモーリエ2」を利用した際のコスト削減の総額は、年額10億ドルとみられている。

次に重要な、「世界の物流地図を変えつつある」(ガルシカ大臣)インフラプロジェクトは、北極海航路(NSR)だ。「NSRでの輸送が南方ルートよりも有利になるニッチは、北東アジア(中国、日本、韓国)と北欧(特にロッテルダム、ハンブルク、その他の都市)の間のコンテナ貨物のトランジットだ。その有利さとは時間の節約だ。従来のスエズ運河とパナマ運河経由のルートよりも、最大で9日間速い」とガルシカ大臣は説明した。

最適化された北極海コンテナ航路の物流スキームが作成された。これは、ペトロパブロフスク・カムチャツキーとムルマンスクの2つのハブ港(この区間では耐氷コンテナ船によって輸送が行われる)と、欧州及びアジアの最終仕向港までの支線航路で、燃料消費を最低限にする。「必要な投資の金額は20億ドル程度。これは2つのハブ港のインフラ施設と7隻の北極海航路用コンテナ船の建設だ。試算の結果、投資収益率は回収期間8年で13%になる」と大臣は述べた。

ガルシカ大臣はさらに、極東開発省では目下、ロシア極東全土のインフラ総合整備計画の作成が終わりつつあり、それは提示されたプロジェクトへの参入の可能性を探るために新開発銀行に渡される、とも述べた。(ロシア連邦極東開発省6月2日)