18番目のTORがクリルに

2017年08月31日

エリナのささやき

8月が8月でないうちに終わってしまう感じの日本ですが、アメリカからはハリケーン「ハービー」によるヒューストンの大洪水が伝えられています。エリナちゃんが心配なのは、ヒューストンの衛星都市で新潟市の姉妹都市でもあるガルベストンの様子。メキシコ湾岸沿いの細長い砂洲上の町ですから…。現地からのEメールを新潟ガルベストン委員会のMさんから見せてもらうと、第1信は「Galveston is doing quite well」と始まってほっと一安心。でもハービーが昨日また戻ってたという第2信も届いて、なかなか安心できませんね。▼一度だけガルベストンに行ったときに買ったお土産の人形(↓)、こちらはいまも元気です。▼今日の海外ビジネス情報は、北方・オホーツク海の島々、クリル/北方領土にロシアが先行経済発展区を設置するという話題。来週ウラジオストクで行われる「東方経済フォーラム」ではどのように議論されるのでしょうか。山形からは、早くも冬の話題「世界に発信、雪フェス 国連観光会議とタイアップ」(山形新聞8月25日)です。

海外ビジネス情報

◇18番目のTORがクリルに

メドベージェフ首相は18番目の先行経済発展区(TOR)「クリル」の設置に関する決定書に署名した。新しい「クリル」TORによって、サハリン州における魚やその他水生生物資源の高次加工の製造業拠点の形成が可能となる。TOR制度は、投資家を呼び込み、アジア太平洋地域市場などで工場の製品を販売するための競争上のメリットをサハリン州に付与するとみられている。

アレクサンドル・ガルシカ極東発展大臣によれば、クリル諸島における先行経済発展区の形成は、特定目的プログラム「2016~2025年クリル諸島の社会経済発展」に盛り込み済みだという。

TOR予定地は色丹島マロクリリスコエ村だ。クリル諸島に高品質の冷凍・チルド水産加工品や缶詰を生産する複合施設の建設を提案するコンビナート「オストロブノイ」経営陣の訴えが、クリル諸島にTORをつくる決定の根拠となった。

同社は74億ルーブルをこのプロジェクトに投入する方針だ。700人強の新規雇用が創出されるとみられている。この投資プロジェクトは3段階で実施される。2017年には作業員向け宿泊施設用に管理棟が改築される。第2段階では2018年に新しい缶詰工場、魚粉製造プラントのライン、1度に1万5000トンを貯蔵できる冷凍倉庫、新しい管理棟と食堂がつくられる。2020年までには2つのロボット化した冷凍食品工場が操業を開始し、タラ・サケマス高次加工工場が稼働する。製品はロシア国内市場にもアジア太平洋諸国(日本、中国、韓国など)にも供給される。

今日現在、主要入居者である「オストロブノイ」以外にも、複数のロシア企業が新しいTORでのプロジェクトの実行に関心を寄せている。極東開発省はこれら投資家らのオファーを検討中だ。それらは、水産加工場の建設、栽培・養殖漁業の展開、再生可能エネルギーによる小規模発電所の建設、エコツーリズム展開、観光・レクリエーション区と小規模ホテルの建設、南クリル諸島の金鉱山開発のプロジェクトだ。

クリル諸島のTOR設置に関する決定は7月5日、ユーリー・トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表が招集した極東・バイカル地域投資プロジェクト実施小委員会で承認された。(ロシア連邦極東開発省8月23日)