ロシアに独自のオフショア地域ができる

2018年08月15日

エリナのささやき

8月15日になると、父や叔父の従軍経験談を思い出します。南洋諸島後方の海軍司令部にいて比較的安全だった父、終戦が延びれば特攻の予定だった叔父、終戦を待たずに散ったもう一人の叔父…。皆、20歳前後の青春でした。いつの世も戦いの根は絶えず、その一つに経済や権益があることは、肝に銘じておかなくては。▼近頃は海洋立国だったヴェネツィア(↓)に関する本を読んでいるのですが、同じく海洋国・日本を思う終戦記念日です。▼今日の海外ビジネス情報は、ロシア国内にオフショア地域がきそうなこと、ウラジオストクに起業サポートセンターができる予定であることなど、ロシアの新しい経済についての話題が2題。

海外ビジネス情報

◇ロシアに独自のオフショア地域ができる

プーチン大統領が先週、ロシア極東とカリーニングラード州における特別行政区(SAR)の創設に関する法律に署名した。SARは国外オフショアの代わりになる予定だ。

SARは沿海地方のルースキー島とカリーニングラード州のオクチャブリスキー島にできる。これら国内オフショア地域には外国企業しか登記できない。これらの制限は、他の地域のロシア企業が事業をSARに移すことへの危惧と関連している。

「本質的にロシア企業でありながらさまざまな理由(国外市場での構想力の向上など)でオフショア地域に登記された企業の活動は、リスクにさらされている。特に、制裁リストに加えられている場合だ。そのリスクを排除するために、急きょ、これら企業がロシアの司法下に円滑に入り、保護を受けられるような国内オフショア地域を創設することを決定した」とアナトーリー・アクサコフ国家院(下院)金融市場委員長がロシースカヤ・ガゼータに語った。

さらに、SARの創設は、これら2地域の経済成長の促進を可能にする。アレクセイ・マイオロフ連邦院(上院)議員がかつて述べたように、カリーニングラード州と沿海地方が選ばれたのは偶然ではない。「これは、我が国の東部と西部の前哨基地だ。我々はこれらのパイロットプロジェクトを推進しなければならない。そして、それらを手本に、他のプロジェクトも実施する。我々は、油価が上昇し、我が国経済が成長する、あるいは我々が国内経済の拡大を始めることを期待しつつ、毎日、油価の変動を見守っている」。

これらの島では柔軟な租税と通貨規制の制度、外国人棟動力雇用規制が制定される。企業は短期間で最低限の費用で、権利と義務を完全に維持する形で、ロシアの法人に再登記することができる。さらに、SARに登記された企業はロシアの取引所にリスティングされるチャンスを得る。

マクシム・オレシキン経済発展大臣が先に述べたように、SARはこの秋にも始動しうる。(ロシースカヤ・ガゼータ8月5日)

 

◇ウラジオ市に起業サポートセンター設立計画

ウラジオストクに起業家とスタートアップ企業のサポートセンターが設立される予定であることを、福岡市で開催された「第12回アジア太平洋都市サミット」で同市のビターリ・ベルケエンコ市長が表明した。

ベルケエンコ市長によれば、ウラジオストク市の開発コンセプトを策定してくれた日本の専門家らが、同市を「イノベーションの玄関」と呼んだという。「このポテンシャルを伸ばすためには、起業家の自発的活動とイノベーション系スタートアップ企業をサポートするためのプラットフォームが必要だ。そして、我々はそれをウラジオストクにつくることにしている。起業家の活動の活発化と新事業のサポートは市の経済の順調な発展の礎だ」という市長の談話を市役所広報室が伝えている。

センター設立の詳細は9月に協議されることになっている。市役所広報室によれば、このプラットフォームは旧市街あるいは大学を拠点に設立される可能性がある。(DV.land 8月6日)