Arctic LNGプロジェクト最大の外国人パートナーは北京

2019年05月13日

エリナのささやき

今年のG20会合の先陣を切って、新潟でのG20農業大臣会合が終わりました。地球温暖化防止への農業の貢献が議論されるのかな、と思ったのですが、新潟宣言ではAIなど新技術の活用などが中心でした。▼地球温暖化防止へは再生可能エネルギーの利用拡大が必須ですが、化石燃料系ではLNGの利用が増えそう。今日の海外ビジネス情報は、ロシア北極海沿岸のArctic LNGプロジェクトに中国の投資が決まった話題。▼1964年の新潟地震では143基の石油タンクが延焼し、その火災は12日間続いたそうです。当時の仮住まいからその火災を遠望していたエリナちゃん、連休中にその仮住まいの場所を探して歩いてみると、うん、確かにこの角度! 当時はなかったビル(新大病院かな)の向こうに、信濃川河口の石油タンクが燃える光景を震災の夜、見つめていたっけ。

海外ビジネス情報

◇Arctic LNGプロジェクト最大の外国人パートナーは北京

ノヴァテク社は4月25日、Arctic LNGプロジェクトの10%ずつの権益売却に関する法的拘束力のある契約をCNPCの子会社、中国石油天然ガス探査開発公司(CNODC)と中国海洋石油集団有限公司(CNOOC)と締結した。その結果、中国の政府系企業がLNGの年間生産量1980万トンのプロジェクトの外国人主要株主となる。取引の条件はノヴァテクがフランスのトタルと昨年6月に署名したものと同じだ。本紙コメルサント・デイリーが得た情報によると、それらは取得原価を踏まえて修正されることになる。

条件自体はノヴァテクが4月25日、国際会計基準(IFRS)に則った自社の財務報告書の中で公表している。例えば、トタルはArctic LNGの権益10%に対して13億ドル支払い、そのうち6億ドルは取引締結日(3月6日)に、残りはこの日以降1年以内に支払うことになっている。さらに、トタルは、最終的に8億ドルに及ぶ金額を、平均油価に応じてArctic LNGプロジェクトの全3段階の各段階の稼働に先立ち毎年支払う。ノヴァテクは現在、この支払金額の一部を、自社の油価予測に基づいて358億ルーブル(現レートで約5.5億ドル)と試算している。

トタルはまた、3.42億~8.42億ドルの金額をプロジェクトの資産に入れる。その金額は資本決定の枠内で採用された投資見積りに左右される。ノヴァテクはこの金額を404億ルーブル(約6.2億ドル)と見積もっており、それを受け取るのは会社ではなく、ほかならぬプロジェクトだ。結果的に、現時点でノヴァテクが権益の9割を握るArctic LNGの資産が跳ね上がる。

一度に中国企業2社がArctic LNGへ参加したことは、市場にとって思いがけなかった。しかし、このような交渉の結末は、世界で最も有望なLNG市場としての中国の立ち位置を踏まえれば、理にかなっていると本紙関係筋はみている。その結果、中国はArctic LNGの最大の外国人株主となり、それは政府の外国投資委員会との話し合いを必要とする。

取引条件によると、中国側はLNGをプロジェクトから長期ベースで、権益に応じて購入する。本紙の持つ情報によると、この量(各200万トン程度)はFOBカムチャツカ価格で売られる。さらに、それがCNPCとCNOOCとの契約条件ではないとノヴァテク側が本紙に語ったものの、中国の銀行がプロジェクトファイナンスに加わるものと本紙関係筋は確信している。

ノヴァテクがArctic LNGの権益60%を保持したいということを踏まえれば、同社はさらに残り10%分のパートナーを1社探す必要がある。本紙の業界関係筋は、最大のチャンスは三井物産と三菱商事のコンソーシアム(政府系のJOGMECが絡んでくる可能性も)にあるとみている。もう1社の有力なライバル、Saudi Armcoは当初、最大の権益(30%)の取得を希望していたが、関心が薄れつつある。

西側のパートナー2社(トタルと日本)の存在が、予想されるアメリカの制裁からプロジェクトを大いに守ってくれるかもしれない。プロジェクトのリスクは著しく低下したとRaiffeisenbankのアンドレイ・ポリシチュク氏は言う。(コメルサント・デイリー4月26日)