JOGMECと三井物産が北極のLNG事業に出資

2019年07月10日

エリナのささやき

今月はアポロ11号が月に着陸し、アームストロング船長が「小さな一歩だが人類にとっては偉大な跳躍」を月面に印してから50周年になるそうです。中学時代、息をのんでテレビ画面に見入っていたのを思い出します。昨年はアームストロング氏を淡々と描いた映画『ファースト・マン』が印象的でした。今年は間もなくドキュメンタリー映画が公開されるそうです。▼月面のような写真はアラスカ・マタヌスカ氷河の手前。アラスカは異常猛暑、氷河の上を歩くのは楽しいけれど、大きく後退している氷河にたどり着くまで、ますます遠くなってしまったでしょうね。▼今日の海外ビジネス情報は、ロシアの北極圏でのLNG事業に日本資本の参加が決まった話題。

海外ビジネス情報

◇JOGMECと三井物産が北極のLNG事業に出資

ノヴァテクが「Arctic LNG」プロジェクト(天然ガス開発・液化事業)のパートナー集めを完了した。本紙(コメルサント・デイリー)が予想した通り、事業権益の10%を日本の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と三井物産が取得し、出資額は34億ドルに達しうる。資金の大半(75%)はJOGMECが負担し、三井は自社のリスクを最小限化した。ノヴァテクはこれから、Arctic LNG事業の最終的な投資決定に入る。それは第3四半期に予定されている。

JOGMECと三井の持分売買契約書はロシアのプーチン大統領と日本の安倍晋三首相の立会いのもと、大阪のG20首脳会議開催中に署名された。契約者は三井物産の子会社Japan Arctic LNG B.V.(所在地オランダ)。JOGMEC側の発表によると、株式構成はJOGMEC が75%、三井物産25%だが、議決権は三井が50%超を手にする。年間生産能力が1980万トンの液化設備Arctic LNGは2023~2025年の操業開始を予定している(1年に1ライン)。

ノヴァテクのレオニード・ミヘルソン社長は、この取引が他社(仏トタル、中国CNPCとCNOOC、それぞれArctic LNGの権益率10%)とほぼ同じものだと表明した。プーチン大統領はこの取引について、日本の投資金額は「約30億ドル」になると述べた。JOGMECの発表では、同社は三井物産の子会社に約2900億円(累計見込額、出資総額の最大75%)を出資し、さらに約450億円(借入総額の最大75%)の債務を保証する。(コメルサント・デイリー7月1日)