ガスプロムが「シベリアの力2」の準備に着手

2020年05月28日

東方経済フォーラム

海外ビジネス情報

◇ガスプロムが「シベリアの力2」の準備に着手

ガスプロムは、モンゴルを経由する新しい対中国輸出用ガスパイプライン「シベリアの力2」の設計測量作業に着手した。ガスプロムは、プーチン大統領の指示をうけて、昨年9月からこの輸送ルートの検討に着手しており、2020年内には投資のためのすべての事前調査を終えるという。

18日、ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長は、モンゴル経由中国向けガスパイプライン建設の可能性の予備調査の次の段階である設計測量作業に移ったことを発表した。3月27日にプーチン大統領がミレル社長に対して、このルート敷設案を検討するように指示した。そのためには、フィジビリティ・スタディーと設計測量作業、財源の確保が必要になる。ガスプロム側は、投資に先立つすべての調査を2020年内に終わらせると、「コメルサント・デイリー」紙に明言した。

ミレル社長によれば、年間最大輸送力500億立方メートルのモンゴル経由ガスパイプラインの建設によって、ロシア東部と西部のガスパイプラインが連結され、幹線パイプラインに接続していない東シベリアもガス化できるようになる、という。

ヤマロ・ネネツ自治管区のヤマルとナディム・プル・タズ地区、コビクタガス田、クラスノヤルスクで産出される資源がこのプロジェクトの資源供給源となりうる。「これによって、ヤマル産ガスは欧州にもアジアにも供給されるだろう」とミレル社長は補足した。その結果、より価格が高い地域の市場に対して供給でき、バランスをとることができる供給者になる、というガスプロムの長年の夢が実現することになろう。ただし、現時点で世界市場における液化ガスの供給量が急増した結果、2011~2014年に1000立方メートル当たり200ドルに達した欧州と中国のガスの価格差は、事実上消滅してしまった。

ガスプロムは当初、アルタイを経由して中国に直接接続するパイプラインの敷設を目指していた。この案のほうが短い。しかし難所の山岳地帯を越える必要があった。このパイプラインのガスの年間輸送力は300億立方メートルと試算されていたが、2015年以降、ガスプロムはこのルートの積極的な検討に着手しなかった。2019年9月、プーチン大統領はミレル社長に対し、「モンゴルルート」について考えるよう指示した。(コメルサント・デイリー 5月19日)