大慶石油化学、ロシア産原油の初パイプライン輸送
2020年10月09日
ハルビン
海外ビジネス情報
◇大慶石油化学、ロシア産原油の初パイプライン輸送
9月23日9時現在、ロシア産原油4860トンがパイプラインで大慶石油化学(以下、大慶石化)精製工場の貯蔵タンクに輸送された。今回の初めての輸送は、1.5万トンの原油の輸送が予定され、大慶石化によるロシア産原油精製の歴史の新しいページを開いた。
一晩かけて輸送が行われ、ロシア産原油が大慶石化に入っていき、9月22日12時6分、パイプ内の圧力メーターが安定的に上昇していった。この原油は沈降や脱水などの前処理をした後で、「大規模石油精製(プロジェクト)」の原料となる。
パイプラインは大慶市の林源オイルステーションを起点とし、大慶石化製油工場の転送共同作業場を終点とする総距離51.5キロで、漠大線(漠河-大慶のパイプライン)を経由してロシア産原油を輸送する。これにより、「大規模石油精製」の供用開始後は、重要なパイプラインネットワークの一部となる。このパイプラインを利用することで、大慶石化の設備・製品構成を調整し、製油・一次加工・二次加工の体制整備を実現し、企業のリスク耐性を強化して、収益を向上させ、モデルチェンジ・レベルアップと高品質の発展のために新たなエネルギーとなる。
以前は、大慶石化は年650万トンの原油を精製しており、そのすべては大慶産原油だった。大慶石化は、「供給が需要に追いつかない」、「設備の稼働率が低い」といった問題を改善するために、「大規模石油精製」プロジェクトを立ち上げ、大慶産原油とは別に毎年350万トンのロシア産原油を精製し、1千万トン以上の原油の一次加工量を実現することになる。同時に今後、地元の川下企業に毎年120万トンの石油化学の基礎原料が供給されることになり、石油化学産業の発展と地域の経済成長を支えていくことになる。(黒龍江日報9月24日)
◇吉林省で毎年8.6億斤※の穀物損失を削減
吉林省穀物・物資備蓄局は「穀物の節約・損失削減の促進」を趣旨とする「農家の科学的な穀物貯蔵」「穀物の安定供給」「安全保障と供給調節・危機対応施設」「良質な穀物」など複数のプロジェクトを積極的に展開し、大きな成果を上げている。統計によれば、「科学的な穀物貯蔵」プロジェクト1件の実施だけで損失率が8ポイント下がり、毎年少なくとも8.6億斤の損失削減となった。
近年、「強農・恵農(農業の強化、農民を豊かにする)」国家政策が着実に実施され、農業科学技術が進歩し、穀物生産は良好に発展して、供給能力は増えている。しかし、収穫・乾燥・貯蔵・輸送・加工・消費を含めた生産後の過程における損失が大きく、特に農家の自家穀物貯蔵が大きな課題であった。サンプル調査によれば、貯蔵の損失率は全国平均で8%、東北地域では10.2%もあった。この状況を改善するため、吉林省では農家の科学に基づいた穀物倉庫の建設を全面的に推進した。同プロジェクトは2009年から実施され、換気・防カビ・有害生物防止・防水などの機能を備えた倉庫を建設して、損失率を2%以下に抑えた。
また、吉林省では、2013年に複数の穀物の安全保障プロジェクトが実施され、穀物貯蔵・物流施設が建設され、老朽化した倉庫が修理・改造されたことによって、収容力が約600億斤へ拡大した。
さらに、吉林省は「良質な穀物」プロジェクトの推進により、穀物生産後の品質管理体制を確立した。2018年と2019年に、5.4億元が投資され、156カ所の穀物生産品質管理センターが完成し、年間150億斤以上の穀物に対応することができるようになり、農業支援サービスの専門レベルが向上した。これまでに穀物生産品質管理センターは市場に供給するために合計で443万トンの穀物を処理し、貯蔵・輸送・販売時における穀物ロスを削減することに成功し、農家の収入を5億元も引き上げた。2020年には主な穀物生産県に170カ所開設する目標を達成する予定で、各地でのサービス強化と運営管理を監督・指導して、収穫後の品質管理の機能と役割を十分に発揮させていく見込みだ。(吉林日報9月26日)
※1斤は約500g