ウラジオ市内で年内に4つ星ホテルが開業

2021年01月27日

ウラジオストク

海外ビジネス情報

◇ウラジオ市内で年内に4つ星ホテルが開業

パンデミック収束後の観光客の急増を見込んで、世界的ホテルチェーンがウラジオストクで場所取りを急いでいる。悲しい過去を持つ未完成の5つ星ホテルの1つを傘下に入れた日本の(株)オークラニッコーホテルマネジメントに続き、フランスのアコーホテルズが一気に3つの物件に狙いをつけた、とPrimaMedia通信が報じている。

アコーホテルズが目を付けた最初の物件は、ウラジオストク市内工具製造工場ロータリー交差点そばの4つ星ホテルだ。この案件を進めているのは、先行経済発展区・ウラジオストク自由港入居者協会の元会長であるアントン・スコリク氏の関連組織だ。これは特区制度を活用して進められている。

当初、2020年春の開業を予定していたが、パンデミックによる変更を余儀なくされた。さらに、投資家側は追加出資の問題を処理しなければならなかった(総事業費は数十億ルーブルになりうる)。市場では、このプロジェクトにDNSグループ*1が参加するという話も出てきた。「私はDNSによるホテルの購入については何も知らない」とDNSグループの社長兼共同オーナーのドミトリー・アレクセエフ氏はPrimMediaにコメントした。

2020年末、止まっていた工事が一気に動き出し、目下、建物内の調整作業が早くも終了しつつある。

PrimaMediaはこれまでに、アコーホテルズ系列のホテルチェーン「ノボテル」がホテルの事業主体になるだろうと報じていた。

現在、アコーホテルズ・グループのロシア法人「アコーニューイーストヨーロッパ」が沿海地方の3件のホテル案件の交渉を進めている。

アコーニューイーストヨーロッパのアレクシス・デラロッフ社長は沿海地方政府のコンスタンチン・シェスタコフ副首相と面会し「プロジェクトのうちの1件(パルチザンスキー大通り)は既に工事が始まっている。私はこのホテルのブランディング契約を締結させるためにここに来た。この作業は向こう数カ月間にわたって行われる予定であり、その後で正式な発表となる。残り2つの案件についても、積極的な話し合いが行われている。これも、契約締結になるだろう」と述べた。

ウラジオストク市にとって「ノボテル」の参入は、世界的ブランドの要求に対応してホテルをゼロから建設する最初のケースとなる。現在、ウラジオストク市で営業している5つ星ホテルは、韓国系ホテル*2(旧「現代」)が1つだけだ。ウラジオストク市内の金角湾にかかる黄金橋のたもとのコラベリナヤ・ナベレジナヤ通りにある5つ星ホテル*3は、日本のオークラニッコーホテルマネジメントが事業主体になった。「ホテルオークラ・ウラジオストク」という名前で2021年後半に開業を予定している。(PrimaMedia 1月18日)

*1 ロシアの大手小売りチェーン

*2 現在は「ロッテ・ホテル・ウラジオストク」

*3 旧ハイアット