政府系金融機関がカムチャツカの新空港ターミナルに資金提供
2021年04月23日
ウラジオストク
海外ビジネス情報
◇政府系金融機関がカムチャツカの新空港ターミナルに資金提供
ロシア開発対外経済銀行(VEB.RF)は、ペトロパブロフスク・カムチャツキー国際空港(エリゾボ)の新旅客ターミナルに資金提供することを、13日に発表した。
広報資料によれば、VEB.RFはペトロパブロフスク・カムチャツキー国際空港(エリゾボ)の新旅客ターミナルに、100億ルーブル規模の資金を投入する予定だ。総合的な改修工事と新ターミナルの建設後、空港の乗降客数は150万人に達する見込みだ。総面積は4万平方メートルを超える。カムチャツカ地方の気候や地震の多い条件も考慮される。新空港ビルは2033年の開業が予定されている。
「VEB.RFの特別融資メカニズムは、この地域の開発の国家プログラムに盛り込まれ、この地域の投資上の魅力の向上を目的とした主要事業の一つだ。交通インフラ・観光・住宅建設分野のプロジェクトは、カムチャツカ地方の社会経済発展の強力なドライバーとなりうるので、この事業に積極的に参画する」というアルチョーム・ドブラトフVEB.RF副総裁の談話を広報は伝えている。
エリゾボ空港の近代化プロジェクトはボーディング・ブリッジ4本を備えた4階建ての新旅客ターミナル(国内線と国際線、約4万5千平方メートル)の建設を想定している。空港ビルには、ホテル(131室)とビジネスセンター(総面積約1万4千平方メートル)も入る。およそ23億ルーブルの新空港のエプロン建設費が連邦予算に計上されている。
カムチャツカの空港ビルの改修は国家プログラム「交通システムの整備強化」と2024までの基幹インフラ近代化・拡張整備総合プランに沿って実行される。ロシア極東の先行発展項目が、プーチン大統領の発案で「交通システムの整備強化」プログラムに盛り込まれており、空港改修もその一部だ。(タス通信 4月13日)
◇韓国企業が沿海地方に漁業港を建設
極東・北極圏開発省はアレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏開発大臣と李石培駐ロ韓国大使との会談を総括した。この会談では、パンデミックの影響を受けた韓ロ貿易経済協力の回復と拡大のための行動についても話し合われた。また、複数の韓国企業が沿海地方の「ポジヤポリスキー」港の建設プロジェクトに118億ルーブルを投資入することを発表した。
「ポジヤポリスキー」プロジェクトは、沿海地方シコトボ地区に水産品と混載貨物の積み替え用のインフラ(年間で最大120万トン)と、2万5千トンの水産品を保管できる冷蔵庫の建設を予定している。韓国のエンジニアリング会社Hyein E&Cがフィジビリティ・スタディ(FS)を終えている。
現在、ロシア極東の主な水産品の大部分は(株)ウラジオストク漁業港(ウラジオストク港の域内にある船内荷役会社)が取り扱っている。同社は最大で日量2千トンの水産貨物の荷下ろしができる。
極東・北極圏開発省によれば、2020年にロシアと韓国との貿易額は、2019年の実績を23%下回り、77億ドルになった。その約40%はロシア極東が担っている。
ウラジオストク自由貿易港制度の枠内で、韓国は10件のプロジェクトを推進しており、それらに関連する投資総額は約60億ルーブルになる。今年はさらにもう1社が、工業団地建設に着工するため、先行経済発展区の入居申請を出すことにしている。この投資金額は約145億ルーブルになる。また、大臣によれば、今後、韓国の医療産業クラスターへの参画、さらに官民連携のプロジェクトの構築も控えている。(インターファクス、EastRussia 4月15日)