ロ極東と北極圏で印ロの共同投資が準備されている

2021年05月13日

ハバロフスク

海外ビジネス情報

◇ロ極東と北極圏で印ロの共同投資が準備されている

アレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏開発大臣とインドのD.B.ヴェンカテシ・ヴァルマ(D. B. Venkatesh Varma)駐ロシア大使との実務会談で、ロシア極東と北極圏の投資協力の拡大プログラムについて話し合われた。

会談出席者らは、2020年に極東連邦管区の対印貿易額が5%以上拡大し7億6400万ドルを超えたことを指摘。ロシア連邦の北極圏地域とインドの貿易も12.6%拡大し、8億ドルに達した。実現した共同経済プロジェクトのうち、沿海地方のダイヤモンド産業の2件が言及された。ウラジオストクでは、自由港の入居企業であるKGK GroupとM.Sureshウラジオストク(M.Suresh)によってカット・研磨工場が建設された。

ロ印両者は他の分野でのロシア極東と北極圏のポテンシャルの大きさについても触れた。両国は、特に極東で産出されるコークス用炭の採掘と石炭製品の輸出を拡大するための投資プロジェクトについて協議を続けている。物流(北極海航路の活用など)での協力、造船、港湾インフラ整備、建設、ヘルスケア、クリーンエネルギー、観光業での協力も話し合われた。チェクンコフ大臣によれば、ル―スキー島に創設される先端科学技術センターが、新たな印ロ科学技術協力の場となりうる。

ヴェンカテシ・ヴァルマ大使は、教育分野での協力の拡大の将来性に特に言及した。インドは毎年、約30万人の大学生外国留学に送り出しているが、ロシアに来るのは4~6千人たらずであり、主に医療関係の留学だ。大使によれば、若者に人気のあるIT、国際法などの分野の教育プログラムがロシア極東にできれば、学生の流入は最大2万5千人に拡大しうる。

会談では、物流の拡大を目的としたウラジオストクとチェンナイ港の航路の整備の見通しも検討された。双方は、9月にウラジオストクで開催される第6回東方経済フォーラム(EEF)へのインド代表団の出席も協議した。EEFでは、極東・北極圏開発省と国立インド変革委員会(NITI)、極東・北極圏開発公社が共同で策定中の、2020~2025年ロシア連邦極東地域における貿易経済・投資分野での印ロ協力プログラムが承認される見通しである。(ロシースカヤ・ガゼータ 4月26日)

 

◇チュコトで新たな浮体式原発計画

プーチン大統領は、カザフスタンのKAZ Minerals社が所有するチュコト自治管区のバイムスコエ銅金鉱山への電力供給について、ロスアトムのプロジェクトを承認した。この電力供給プロジェクトの費用は1690億ルーブルになる。

この件について、ロシアのメディア「RBC」が、ロスアトムのセルゲイ・キリエンコ監査役会会長から大統領への書簡を引用して報じている。書簡では、対案のノヴァテクの浮体式LNG発電所よりもロスアトムの案が優れている点が説明されている。大統領はこの手紙に「同意」の決済を下した。

2018年にKAZ Mineralsが獲得したバイムスコエ銅金鉱山は、銅950万トン、金1650万オンスを埋蔵している。同社は採鉱選鉱コンビナートの建設に5700億ルーブルを投入する方針を固めていたが、ロシア側による電力供給が条件だった。新しくできるコンビナートは当初、2024年の稼働が予定されていたが、カザフスタン側が2027年に延期し、フル稼働への移行は2028年とされた。バイムスキー採鉱選鉱コンビナートへの電力供給には、年間最大出力が350メガワットの新たな電源が必要だ。

ロスアトムのプロジェクトが承認されるまでに、浮体式LNG発電所を使うノヴァテクの電力供給計画が合意済みだった。ところが、国はこの決定を見直し、ロスアトムの案が有力となった。

キリエンコ氏によれば、LNG発電所の運転開始が2027年に延びたことで、ロスアトムの案を検討することが可能となったという。これは、最新式の4基の浮体式電源を建設するという案であり、ロスアトムは期限に間に合わせるために、建設契約の締結を待たず、その設計を開始する。

「このプロジェクトは、ロシア経済にとって有意義な社会経済効果があり、提案されたような小型浮体式原発を宣伝し、世界の電力市場のシェアを取っていくために戦略的に重要である」とキリエンコ氏は指摘している。

(チュコト自治管区ペベクの「ロモノソフ」浮体式原発を例として)浮体式原発を使う技術の完成度の高さから、ロスアトムの提案は信頼されていると専門家は指摘する。ロシアの内閣はバイムスキー採鉱選鉱コンビナートの電力供給案に関する最終判断を近々に行う。

バイムスキー採鉱選鉱コンビナート建設プロジェクトは「2025年までの極東社会経済発展戦略」と、「2030年までのチュコト自治管区社会経済発展戦略」に組み込まれている。(EastRussia 4月30日)