ロステレとVEBが高速通信網の整備に6億5千万ドル

2021年12月22日

ハバロフスク

海外ビジネス情報

◇ロステレとVEBが高速通信網の整備に6億5千万ドル

ロステレコムと、VEB.RF(旧称:ロシア開発対外経済銀行)グループ系列のベンチャーファンドVEB Venturesが次世代光ファイバ通信ネットワークを整備するため、合弁会社「アトラス」を設立したことを、「コメルサント」紙が報じている。2025年までにこのプロジェクトに6億5千万ドル(479億ルーブル)が投入され、その一部は、株主が用意する合弁企業の設立資本金から確保される。

これは新たな光ファイバ通信ネットワークTEA NEXST(次世代トランジット・ヨーロッパ-アジア)のことだ。着工計画については、昨年、ロステレコムは発表していた。当時の投資総額は5億ドルと見積もられていた。ロステレコムのミハイル・オセエフスキー社長は、ネットワークはロシアの欧州国境からウラジオストクを経由し香港に達する、と説明した。

VEB Ventures側は、新たな通信ネットワークの構築の結果、2030年までに、欧州―アジア間のインターネット・トラフィックの30~35%ほどをロシア経由で送れるようになる(現在は10~15%)と主張している。

新合弁会社は、ロシア国内と、ヨーロッパ-アジア間トランジットでのネットワーク形成に、TEA NEXTの幹線を貸し出すことにしている。VEB Venturesのオレグ・テプロフ社長の話では、将来の顧客は、30%程度が近隣諸国の国際電気通信業者、同じくらいのシェアでグローバル通信事業者とOTTサービス会社になるという

ロステレコムはすでに、情報通信ネットワークを複数所有している。欧州と中国を結ぶ既存の幹線のほか、同社にはフランクフルトとマスカット(オマーン)を結ぶ幹線、ナホトカと直江津(日本)間、ノボロシースクとポティ(ジョージア)間の2本の海底ケーブルを有する。(ベドモスチ、コメルサント・デイリー 12月9日)