文人輩出の「越国酒都」―紹興

中国にも「越の国」がありました。故事成語にある「呉越同舟」の「越」は、今の浙江省一帯を支配していた春秋戦国時代の越国を指しています。その越国の都は会稽、紹興酒の産地として知られている今の紹興市です。

世界三大美酒に数えられる紹興酒は、もち米と麦麹を原料とする老酒の一種で、紹興市の鑑湖の水で作ったものだけが「紹興酒」と名乗ることを許されています。紹興市はまさに「越国酒都」と言えるでしょう。

「酒都」紹興市は文人輩出の地でもあり、たくさんの見所があります。「曲水の宴」が開かれた「蘭亭」、南宋の詩人陸游が離縁した妻と再会した「沈園」、文豪魯迅の生家や彼が学んだ「三味書屋」、魯迅の小説『孔乙己(コンイーチ)』の舞台となった「咸亨酒店」などです。蘭亭は「書聖」と称される東晋の政治家・王羲之が『蘭亭序』を書いた所で、鵞池の碑=写真=は王羲之親子の揮毫と言われています。

臭豆腐(チョウドウフ)、茴香豆(ウイキョウマメ)をつまみに、紹興酒を味わえば、「酒都」の歴史の深さを感じられるで

鵞池

トッときガイド 2016年 7・8月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.76