国境紛争の地から観光地へ変貌する防川
中国吉林省琿春市の防川は、中国・ロシア・北朝鮮三カ国の国境が接する地域の中国側に位置する小さな村ですが、日本海を望む異国の風景が見られることから、観光地として重視されるようになっています。2002年に「防川国家重点風景名勝区」に指定され、徐々に開発が進んできました。
防川でもっとも高い建物・龍虎閣の最上階に登ると、左手にロシアのハサン、右手に北朝鮮の豆満江洞(村)、運が良ければ正面に日本海まで見渡すことができます=写真=。中国各地からやって来る観光客で賑わう様子は、どこの観光地でも見られる平和な光景です。
かつてこの地域は、日ソ国境紛争(張鼓峰事件)、中ソ対立などの不幸な出来事に見舞われてきました。しかし、安定、平和、発展は誰もが求めるもので、防川の今の様子はまさにそれを物語っているようです。防川の平和が末永く続くことを切に願います。
ERINA(環日本海経済研究所)
経済交流部経済交流推進員 蔡聖錫
トッときガイド
2016年 11・12月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.78