ロシアのタバコ
ロシア・イコール・ウォッカとイメージする人は多いでしょう。それに劣らずロシアはタバコ大国でもあります。男性の喫煙率は世界トップ5で約6割、女性の喫煙率は約2割で低下する様子がありません。未成年の3割が喫煙するというデータもあります。
このようなロシアは、タバコ産業にとって魅力的な市場です。日本たばこインターナショナル(JTI)の最大の海外事業先はロシアです。「ピョートル1世」や「トロイカ」といったタバコも生産し、ロシアのタバコ市場の4割弱を占める最大企業の一つになっています。
ソ連崩壊前後の混乱期にはマールボロが貨幣代わりに利用されたりもしました。最近は見なくなりましたが、ライターだけを持ちタバコをせびる人がたくさんいました。1本もらえると、もう1本と…。
こんな喫煙者天国のロシアなのに、街中で灰皿はあまり見かけません。吸ったタバコは靴の裏や地面で消してゴミ箱に捨てていきます。火の不始末で煙や火が出ているごみ箱=写真=もよく見かけます。
ERINA(環日本海経済研究所)
調査研究部研究主任 志田仁完
トッときガイド
2017年 9・10月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.83