中国北方の凍柿子

子供の時に食べた冬の柿は今でも忘れられません。中国北方の農村では、冬になると果物がほとんど食べられなくなり、唯一の楽しみが凍らせて食べる柿=写真=でした。

作り方はいたって簡単。完熟した柿を何日間も外に出して凍らせます。鳥に食べられないようにネットで覆い、せっかちな子供達にも取られないように屋根の上に置きます。雪が降り、柔らかい柿はがちがちに凍り、高台から見下ろした家々の屋根は、真っ白な雪と真っ赤な柿で絨毯の模様のようになります。

食べる時は、部屋の中に一晩置き、翌日に食べます。氷は解けますが冷たいままです。中は柔らかく液体に近い果肉は薄い皮に包まれていますが、いつでも崩れて溢れ出しそうです。暖炉を囲んで座り、柿を慎重に手に取ります。皮の1箇所を噛り、そこからひたすら果肉を吸い込みます。冷たくて甘みが増している果肉は崩れるように口に流れ込み、種の周りの少しコリコリした実の舌触りと歯ごたえは絶妙な食感を作り出します。

凍らせて食べる柿、厳しい冬の農村で暮らした記憶を思い起こします。

(出所)https://m.youxiake.com/news/db/2761.html

 

トッときガイド 2020年 1・2月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.97