「三多三無の島」済州島
2年前、友人と韓国の済州島に行きました。済州島の観光地で、石の柱にかかっている3本の木=写真=に興味を持ちました。説明を見ると、昔の済州島の家には門がなく、入り口に石を立て、「ジョンナン」と呼ばれる3本の木をかけ、その家に人がいるかどうかを知らせていたそうです。木が1本かかっている場合は家の主人は近所にいることを示して、2本かかっている場合は夕方に帰ってくるという意味を示します。3本ともかかっていれば遠方へ出かけていること、3本とも外れていれば在宅を意味します。
済州島は「三多三無の島」と呼ばれて、「三多」とは石・風・女が多く、「三無」とは泥棒・門・物乞いが無いという意味です。「ジョンナン」は済州島でしか見られない風習だそうです。厳しい自然条件を克服するために、昔の島民たちは助け合って暮らしてきたと言われています。あえて外出中であることを知らせることは、島民の協同精神を表しています。
コロナ感染症が終息したら、また美しい済州島に行きたいと思います。
ERINA(環日本海経済研究所)
調査研究部研究主任 李春霞
トッときガイド
2021年 9・10月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.107