中国の清明節

日本で桜の花見にわく頃、中国では清明節という祝日があります。「清明」は農暦の二十四節気のひとつで春分から15日目、毎年西暦では日付が異なり、今年は4月6日です。祖先のお墓を掃除してお参りをし、そのまま野山で遊んだり、家族や親戚で食事をしたりする日で、昔から民間で広く行われています。家族形態の変化により、都市部では普通の休日化していますが、家族のつながりを重視する多くの中国人にとって重要であることは今も変わらないようです。

この清明節が、中国で国家の祝日となったのは2006年でした。社会主義中国は建国後長らく国慶節や労働節などの祝日を重視し、伝統的な文化は近代化を阻害するとしていましたが、伝統的な行事を復活させることにより人々の精神的なよりどころをとらえなおす動きが起こり祝日に制定されたのです。国家の枠組みに宗教的な儀礼をともなう伝統行事を組み入れ、「中国」を文化の側面からとらえなおしたといえます。

トッときガイド 2022年 3・4月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.110