韓国のお正月

年の暮れ、クリスマスや忘年会(韓国では送年会)が終わり、新しい年を迎える頃になると、顔のしわやお腹の脂肪が気になる私くらいの年代の人はため息が出ます。新しい年になるということは年をとることだからです。日本では誕生日に年をとりますが、韓国ではお正月に一斉に年をとります。12月31日に子供が生まれたら、次の日、2歳になります。『え?1歳じゃないの』という疑問の声が聞こえてくるようですが、2歳です。韓国では生まれたときに1歳になります。お母さんのお腹の中で10カ月を過ごした後、生まれて1歳、新しい年を迎えてまた1歳、それで2歳になるのです。今や世界でもあまり例を見ないことですが、韓国の方が命の尊さを感じるような気がします。

韓国のお正月の食べ物といえば、トック(写真)です。トックは餅の「トッ」とスープの「ク」の合成語で餅スープの意味ですが、日本のお雑煮と似たような食べ物です。トックの「トッ」はもち米ではなく、うるち米で作ります。煮ても形は崩れず、もちもちしているのが特徴です。今はいつでも食べられますが、昔はお正月以外には、なかなか口にすることが無かったそうです。そういった理由でトックを食べないと年をとらないと言われました。幼い子供はトックを食べて年をとるのが嬉しく、食べた数だけ年をとると勘違いし、『僕はトック2杯食べたから2歳年をとったよ』と自慢することもあります。

「年をとる」は韓国語で「年を食べる」と表現します。だからトックを食べて年を食べることになるのです。さらに食べるのは年だけではありません。「何かを決心する」ということを「心を食べる」といいます。だから韓国のお正月は“トック”を食べて、“年”を食べて、今年こそいい年にしようと“心”を食べることになるのです。

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トッときガイド 2008年 1・2月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.25