韓国の中華料理 ジャジャンミョン (ジャージャー麺)

韓国でジャジャンミョン(ジャージャー麺)といえば、大人から子供まで大好きな大衆的なメニューですが、実は中国生まれの中華料理です。ジャジャンミョンは春醤(チュンジャン)という黒味噌をベースに野菜や肉を煮込んで作ったもので、こってりとした旨味とほんのりとした甘さが特徴です。味がよい上に安価(4000ウォン程度、日本円で約450円)であることから、出前、外食の代名詞とも称され、まさに日本人のカレーライスやラーメンに匹敵する国民食として愛されています。

ジャジャンミョンにまつわる話で(ちょっと季節はずれですが)、韓国では4月14日を「ブラックデー(Black Day)」と呼び、ジャジャンミョンを食べるという風習があります。これはバレンタインデーやホワイトデーで恋人のいなかった者同士が4月14日に寄り添い、黒い服を着て、真っ黒なジャジャンミョンを食べ、お互いを励ましあうというものです。むろんこれは商業的なマーケティング戦術から生まれたものですが、それにしても記念日好きの韓国ならではの発想で面白いですね。

私の幼い頃は、卒業式や運動会の日には必ずと言っていいほど、家族と一緒に近くの中華料理屋でジャジャンミョンを食べた記憶が鮮明に残っています。それだけジャジャンミョンは特別な日にしか食べられないものでした。しかし今や手軽に食べられる庶民的な食べ物として親しまれています。もちろん私も、韓国に帰ったらまず食べたい料理のひとつといえるほど大好物です。

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トッときガイド 2008年 9・10月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.29