氷のハルビンに新しい春
中国・黒龍江省ハルビンでは、松花江の解氷の音が春を告げます。ある旧満州残留記でこんな記載を見つけました。「大きな氷塊が下流の結氷面にぶつかり、乗り上げ、砕き、どん、どんとぶつかり合う音、ぎーっと擦れる音、ぎしぎし軋む音…、向こう岸が霞んで見えるほど広い松花江は、中程に細い水脈を開いています」。
さて、凍った松花江の上で毎年繰り広げられる氷雪まつりはおなじみですが(1)、この冬、ERINAのA氏がハルビンのまちを歩いていると、中心市街地を流れる馬家溝河のウォーターフロントが、きれいに整備されているのに気付きました(2)。春が待ち遠しい街並みです。
この風景をみて、思い出したのが東京・新芝浦運河(3)。ビルにはさまれた歩道や緑地帯の雰囲気がよく似ています。こうしてみると、信濃川のやすらぎ堤も捨てがたいですね。
(1)ハルビン氷雪祭
(2)ハルビンのウォーターフロント
(3)東京・新芝浦運河
ERINA(環日本海経済研究所)
調査研究部長 中村俊彦
トッときガイド
2009年 3・4月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.32