運はギョーザにもあり

5~6月は、世界中で国際会議や国際見本市のハイシーズン。対岸の中国・東北地方も同様です。恒例のイベントといえば、5月末の「大連アカシア祭」(遼寧省)、見本市では6月中旬の「ハルビン国際経済貿易商談会」(黒龍江省)。ハルビン商談会には姉妹都市・新潟からも毎年、多くのビジネスマンらが参加します。

中国へ出張しての楽しみは、なんといっても「食」。中国・東北地方の名物・餃子を、遼寧省の省都・瀋陽市の名店「老辺餃子館」で食してみましょう。

大勢でテーブルを囲んで食べる時、ぜひ楽しみたいのが、真珠餃子。真珠のように小粒な餃子をスープと一緒にすくって食べるのですが、椀の中にいくつ真珠餃子が入っているかで、幸運を占います。みんなで幸運度を競ったりして、盛り上がります。

1つなら「一帆風順」…ものごとが順調に進みます。
2つなら「双喜臨門」…二重のおめでたが訪れます。
3つなら「連昇三級」…3等級続けざまに昇級します。
4つなら「事事如意」…すべて意のまま思うまま。
5つなら「五福臨門」…すべての福が家に集まります。
6つなら「六六大順」…万事順調、言うことなし。
何もなくても「無憂無慮」…憂いもなく心配もなし。

この餃子占い、店によって幸運の表現が少し違うようですが、数にまつわる熟語が絶妙で、そのニュアンスに一喜一憂。ところが、給仕してくれる人もまた絶妙で、テーブルのみんながほぼ同じ数になるよう入れてくれる。これも伝統の技なのかもしれません。

33

トッときガイド 2009年 5・6月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.33