ロシアのミャーウ!

我が家には今年で16歳の黒猫(写真)がいます。人でいうと80歳ぐらいのお婆さん猫。彼女はロシア生まれの新潟育ち、品種で言うとロシアンブルーの血を引く由緒正しい猫だと飼い主は思っています。

いわゆる日本語の「おいでおいで」や「しっしっ」がロシア語にもあって、それぞれ「ks-ks-ks」、「kis-kis-kis」といいます。我が家の猫も昔はバイリンガルでしたが、今となってはロシア式の呼びかけには全く反応しなくなってしまいました。ちなみに、猫がのどを鳴らすときの「ゴロゴロ」は「mur-mur」、鳴き声の「ニャーニャー」は「myau-myau」。

ロシアでは「新居にはまず猫を入れろ(人はそのあと)」といったりします。一説によると、猫は先住の「精霊」と話ができ、交渉の結果、精霊は「家の守護精」となってくれるそうです。この精霊は最初に家に入ってきた者に良くも悪くも「とり憑く」ので、昔の人はそうならないように猫を最初に入れていたのだとか。そういえば日本でも、「猫は(飼い主でなく)家につく」って言いますよね。

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トッときガイド 2009年 9・10月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.35