チマキを食べる端午節
端午節に中国ではチマキを食べます。2012年は6月23日が端午節(旧暦5月5日)でした。中国でもチマキは、もち米をササの葉で包み、イグサで三角形に巻いて蒸しあげます(写真は『湖北日報』より)。見た目は日本と同じですが、味は一般的に長江(揚子江)を境界にして異なります。北の方がナツメの甘みをそのまま引き立てる味に対して、南の方は豚肉やアヒルの玉子などのうまみを醤油味に生かします。北部の山東省出身の私は、上海で豚肉の入ったチマキを初めて口にした時のショックがいまだに忘れられません。
近年、中国は文化振興にも力を入れ、2007年から端午節、中秋節(家族団らんの日)などの節目を法定の休日に定めました。2005年に韓国で「江陵端午祭」としてユネスコ無形文化財に登録されると、中国も負けてなるものかと、2009年に登録を果たしました。東アジアに共通のチマキですから、競争よりも国際交流のきっかけに活かせるといいですね。
ERINA(環日本海経済研究所)
調査研究部研究補助員 高健
トッときガイド
2012年 7・8月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.52