黄河 川下り!
これはなんだと思いますか?
黄色い動物の皮に空気をいっぱい入れて、木の棒で固定しているもの、川沿いにあるものです。中国の民俗に詳しい人ならすぐ分かります。羊の皮のいかだです!
中国甘粛省・蘭州市内を流れる黄河沿いで見かけます。13匹の羊の皮に空気を入れて膨らませ、棒で繋いで作った水上運搬道具です。使う時は、皮の面を下にして水につけ、人は棒の面に座布団を敷いて坐り、これに乗って黄河を下っていきます。最多で6人乗ることができます。
陸上交通が不便だった昔、羊の皮のいかだは重要な運搬手段として広く黄河沿いの地域で使われていました。貨物運搬用の大きないかだは、数百匹の羊の皮を使い、最大20~30トンの荷物を運ぶことができたそうです。黄河上流の青海省から甘粛省、さらに内モンゴル自治区まで、人々の生活に欠かせない輸送手段でした。今は観光用として、黄河流域の人々の古い伝統や生活の知恵を伝えています。
ERINA(環日本海経済研究所)
経済交流部/調査研究部研究員 穆尭チェン
トッときガイド
2013年 11・12月号
「隣国情緒 北東アジアレポート」No.60